16Dec
睡眠薬にはいくつかの種類があり、その働き方の違いによって4つのタイプに分けることができます。
それは、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン系、そしてオレキシン系の4つです。
この中でオレキシン系の睡眠薬は、比較的新しく作られたタイプの薬で、先月には4つ目の新しい薬が発売されました。
今回は、この「オレキシン系」の睡眠薬がどんな薬なのか、お話ししていきたいと思います。
「覚醒系」の物質オレキシン
オレキシンは、脳の中で情報を伝えるための「神経伝達物質」と呼ばれる、とても小さな物質の1つです。神経伝達物質には、ほかにもセロトニンやドーパミンなどがあります。
オレキシンは1998年になって初めて見つかりました。このオレキシンは、「覚醒」、つまり起きている状態を保つために大切な役割を持っています。
例えば、オレキシンがうまく働かないと、突然強い眠気が来て寝てしまう「ナルコレプシー」という睡眠障害が起こります。
反対に、眠っているときにオレキシンが過剰に働いてしまうと、目が覚めて眠れなくなることがあります。
オレキシン系の睡眠薬は、このオレキシンの働きを抑えることで、比較的自然な眠気を引き起こしたり、眠りを続けやすくしたりします。
睡眠薬にはいろいろな種類があり、効果の現れ方や副作用は、人それぞれ、状況によっても少しずつ異なります。
不眠のことでご相談される際は、症状(例えば「なかなか眠れない」「夜中に目が覚めてしまう」「早朝に起きてしまって眠れない」など)や、お薬を飲んだ時の感じ(例えば翌日に眠くなる等)を、無理のない範囲で医師にお伝えいただくと、より適した治療につながります。
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