院長コラム一覧
遺伝子と環境の交差点
精神医学や生物学の世界では、「遺伝」と「環境」が私たちの心と体にどのように関わっているのか、長年にわたって議論が続けられてきました。 かつては、生まれ持った設計図(遺伝子)が運命を決める「遺伝子決定論」のような見方が主流の時代もありました。…
“がんばりすぎ”に気づくサイン
こころの不調は、誰にでも起こりうることですが、特に真面目で責任感の強い方ほど、気付かないうちに無理を重ねやすいのかもしれません。 ・仕事の最中には感じなかった「疲れ」が、休みの日にどっと出てくる・「そろそろ休もう」と思いながら、つい後回しに…
考えてつらくなるとき
・なんとなくやる気が起きない・このままではいけない気がする・自分は周りに迷惑をかけているのではないか このような考えが頭から離れず、何をしていても心のどこかで考え続けてしまう。そんな日がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。 何らかの答…
思うように動けない時
気分が沈んでやる気が起きない、何事も億劫に感じる・・・このようなとき、思うように動けない自分を責めてしまいがちです。 実は、うつの状態のときほど意識が「自分」へ向かいやすく、自分を責める気持ちが強まるのも、症状のひとつです。 気分や感情、行…
「モヤモヤ」をほどく
「なんだか気持ちが晴れない」というとき、私たちはたいてい、それを頭の中だけで抱えています。考えても考えても答えは出ず、気づけば「私はダメだ」「どうして自分は」と、矛先が自分自身に向かっていくことも多いのではないでしょうか。 ここがモヤモヤの…
朝がつらいときの整え方
朝になかなか起き上がれない。 目は覚めていても、体が動きにくい、気持ちが重くなる。 こうした状態は、心や身体が疲れているときによくみられます。「がんばらないと」と思うほど、かえってつらく感じてしまうこともあります。 まずは、「今は少し疲れが…
考えすぎてしまうときに、できること
気がつくと同じことを何度も考えてしまっている、頭の中が考え事でぐるぐるして、止めようとしても止まらない。このような状態は、多くの方が経験されます。 「考えすぎてはいけない」と思うほど、かえって考えが強まってしまう、そんな経験をされた方も少な…
休むことも、治療のひとつ
なんとなく調子が悪いとき、身体が思うように動かないとき、気分が落ち込み気味のときなど、なかなか起き上がれないまま一日が過ぎてしまうこともあるかもしれません。そんなとき、「何もできなかった」と自分を責めてしまう方は少なくありません。 自然な反…
気持ちが少し軽くなるとき
1日の中で、特別な出来事があったわけではないのに、気持ちが軽くなる瞬間があります。ふと良い思い出が頭に浮かんだり、景色の美しさに気づいたりするなど、同じような日常の中にも小さな変化がありますね。 こうした瞬間は、特別な努力の結果というよりも…
抗うつ薬のはたらき
脳のさまざまな働きは、脳の中にある神経回路によって支えられています。神経回路は、ニューロンと呼ばれる細胞同士が電気信号をやり取りすることで形づくられています。 あるニューロンが神経伝達物質と呼ばれるごく小さな物質を放出すると、別のニューロン…
薬の効き方について
お薬について、気になることや不安に思うことはありませんか。翌日の眠気や気分、仕事への影響、身体の感覚など、些細に感じられることであっても、「なんだか気になる」、「これは副作用なのかな」あるいは「効果があまり分からない」などがありましたら、ぜ…
最近の睡眠薬について
睡眠薬にはいくつかの種類があり、その働き方の違いによって4つのタイプに分けることができます。それは、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン系、そしてオレキシン系の4つです。 この中でオレキシン系の睡眠薬は、比較的新しく作られた…
些細なことを気にしないコツ
日々の生活の中で、ちょっとした出来事が妙に気になってしまい、頭の片隅にずっと居座る…そんな経験は誰にでもあります。普段なら受け流せるようなことでも、疲れていたり不安が強かったりするときほど、目の前の出来事が実際よりずっと大きく感じられ、心が…
大切な気分転換
患者さんによくおすすめしているのが「気分転換」です。気分がなんとなくモヤモヤしているとき、同じことを繰り返しているとき、思い切って全く別なことをすると、心や頭がスッキリして新鮮な気持ちでまた取り組めるようになります。 調子の悪い時は無理をせ…
リラクゼーション法
心身をリラックスさせる方法として、「リラクゼーション法」という手法があります。現代人は、常にストレスに晒されていると言ってもよく、体も心も緊張状態にあることが多いです。心臓の鼓動が速まるような明らかな緊張がなかったとしても、筋肉がこわばった…
こころの不調は”脳の回路”から
・よく眠れない日が増えた・疲れが取れない・たくさん食べてしまう・嫌なことを考えてしまう・やる気がなくなった・焦燥感があるなど、心が不調の時に出る症状は様々あります。 熱がある時など身体の調子が良くない時にも、気持ちが落ち込んだり不安感が現れ…
うつの初期症状
悲しいことがあって気分が落ち込むことが誰にでもあるように、強いストレスを受け続けると、「うつ病」までいかなくとも「うつ状態」になることがあり得ます。 「うつ状態」の症状 例えば人間関係上の出来事や職場の環境の変化などがきっかけとなり、「うつ…
気分と脳のはたらき
気分がパッとしなかったり、不安や心配事があったりするとき、頭がうまくはたらかないと感じることはないでしょうか。 気分や感情と、思考力・判断力は一見すると関係がなさそうに思えますが、実は密接なつながりがあります。 視床下部のはたらき 脳には「…
適応障害の分析
夏にかけてのこの時期は、仕事面や生活面で何かと変化を実感する季節でもありますね。今回は「適応障害」についてお話ししていきたいと思います。 「適応障害」とは 適応障害は、環境からのストレスにより心に不調が起こる疾患です。比較的新しい疾患で、「…
ストレス予防の基本
ストレスによっていろいろな症状が現れますが、その前にできる予防的なストレスケアがあります。 ストレス予防の基本 ストレス予防は次の3つが柱となります。 1 人に対する健全な関係 2 社会への参加 3 自然との交流 人間関係や社会に対して受け…
生活習慣病と「GLP-1」
「GLP-1受容体作動薬」は、もともと糖尿病のお薬として開発されましたが、近年、心血管系や腎臓の保護効果、脳機能の低下を抑える効果など、多様な効能を持つことが研究で分かってきました。 今回は、このお薬を中心にお話ししていこうと思います。 重…
ストレスに対する予防
ストレスに対しては、心や身体に何か症状が現れてから対処する、という場合と、症状が現れる前にケアを行う、という場合の2つがあります。 今回は、心身に症状が現れる前に、ストレスに対してできることについてお話ししていこうと思います。 ①自然と親し…
海外出張前のストレスケア
普段は特に不調がない方で、海外渡航の前にのみ受診される方もいらっしゃいます。 現地での仕事でより良いパフォーマンスを発揮するためにも、海外出張に伴うストレスケアは、とても重要です。 ストレスの感じ方や、それがどのように体調に表れるのかは、人…
「よい睡眠」の簡単チェック
睡眠の重要性について、テレビや雑誌、SNSでよく取り上げられるようになりました。「睡眠の質を向上させる」タイプの商品も多く目にしますね。 健康や仕事のパフォーマンスを意識し、質の高い睡眠を確保しようとしている人が増えていると思います。 ここ…
不眠には目標を持つこと
不眠の原因に多いのが、不眠それ自体について過度に神経質になることです。不眠へのストレスが、さらなる不眠を呼び寄せてしまうことがあります。 日中も不眠のことが気になり、イライラしたり気分が落ち込んだりするケースも多くあります。 「不眠を治そう…
悩みや不安から離れるコツ
悩みがあると、一日中そのことが頭から離れなかったり、楽しいはずの瞬間も十分に味わうことができなかったりするかもしれません。 また、夜電気を消してこれから眠ろうというときや、朝目覚めたなんとなくの時間、ふと一人になったときなどに、これから起こ…
うつの初期症状としての認知機能低下
① 気分が落ち込む② 興味や関心が低下する・意欲が湧かなくなる③ 仕事や家事が困難になり、日常生活に支障が出る 「うつ」は以上のように段階的に進行していくことが知られています。最初の症状として、訳もなく悲しくなったり、罪悪感や不安感が強まっ…
お腹の調子が気になる②
前回の記事「お腹の調子が気になる①」では、・電車の中や大事な予定の前などに起こる、予測できない腹痛は、それまで続いていた緊張が途切れる瞬間に起こることが多い・「鼻で吸って口で吐く」呼吸法は、口で吐く度に、心身をリラックス状態にできるため、不…
お腹の調⼦が気になる①
朝、電⾞に乗っていて急にお腹が痛くなる、⼤事な予定の前なのにトイレから出られなくなってしまう、など、予測できない腹痛にお困りの⽅は多いのではないでしょうか。 「またお腹が痛くなったらどうしよう」と不安になる⽅もいらっしゃると思います。 今回…
そわそわしているとき
・本を読もうとしても、文章が頭に入ってこない、何度も同じ行を読んでいる・テレビを眺めていても、画面がざわざわした感じがして、内容を追うことができない 心や身体がなんだかそわそわしている時は、目の前のことに集中できず、さらに集中できないことに…
新しい職場<五月病から四月病へ>②
新しい環境を迎えた時のストレスが、深刻な悩みへと移り変わりやすいのが、特に、新入社員の方です。 「五月病」という言葉がありますね。 4月の環境の変化に対する反応で、ちょうどゴールデンウィーク後に、何もする気が起きない、やる気が出ない、と無気…
新しい職場<五月病から四月病へ>①
新年度もはじまり、新たな仕事、新たな人間関係を迎えている方が多いのではないでしょうか。 新しい環境に、良い刺激を感じる人もいれば、慣れるために大変さを感じている人もいると思います。 4月は、そういった意味でなかなか不思議な季節です。 どの仕…
やめられないとき④
前回のコラムでは、依存症のお薬についてお話ししました。今回は、日本で使われている、アルコール依存症の薬について触れていきます。 全く飲む気が起きなくなる 日本では現在、アルコール依存症の薬が2種類あります。その作用は、アルコールを全く飲みた…
やめられないとき③
今回は、依存の治療についてお話ししていきたいと思います。 薬 日本では未承認で、米国で依存症の治療薬として使われているものに、ナルトレキソンというお薬があります。これは、どういう経緯で依存症を良くするのかというと、報酬系において幸福感を与え…
やめられないとき②
依存のプロセスに脳の報酬系が関わっているのだとしたら、そもそも報酬系というのはなんのために存在しているのでしょうか。 原始時代はうまくいっていた 自然の中で生活していた時代、例えば原始時代では、この報酬系のシステムは、生存に利益をもたらして…
やめられないとき①
甘いものやお酒、スマートフォンやゲームなど、ついやめられなくなった、という経験は、皆さんあるのではないでしょうか。 「やめられない」のは、自分の意志が弱いから、と思いがちですが、実はそれは脳の強力なシステムがはたらいている証拠なのです。 「…
当院の過食症の治療
現在、日本には、過食症の治療薬はありません。当院では、アメリカとヨーロッパで過食症に適応をもち、改善率が高く、広く使われている治療薬を用いて診療を行なっています。 過去15年間でおよそ2,000例を経験し、改善率は約8.5割となっています。…
お子さんの発達障害 ③
前回の記事「お子さんの発達障害 ②」は、ADHDのお薬についてお話ししました。 最近では、さまざまな発達障害に対する自然物(サプリメント)の効果についての研究も発表されています。 早期の対処が可能 発達障害は、だいたい3歳くらいから症状が現…
お子さんの発達障害 ②
特に小学生くらいのお子さんに対して、発達障害(ADHD)のお薬を飲ませるということに、抵抗を感じる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。 今回は、その辺りについてお話しさせてただければと思います。 単に症状を抑えるだけではない ADH…
お子さんの発達障害 ①
近年、学校の先生から発達障害の可能性があると指摘され、不安を抱える親御さんが増えているように感じます。 どうぞ気軽に受診してみてください 複雑な検査が必要な場合もありますが、そのような検査なしでも、発達障害の可能性をしっかりと拾い上げること…
眠れないときは、眠らない
電気を消して、布団に入っても、なかなか眠れずに悶々とする、みなさんは、そんな時間を一度は経験しているはずです。 「眠らなくてはいけないのに眠れない」、「なんでこんなに眠れないんだろう」、「そういえば今日こんなことがあったな、こうすればよかっ…
こころが安らぐ環境を作っておく ②
家の外でも、家の中でも、いろんな情報に晒されているいま、こころはいつも緊張状態にあるといえます。そして、私たちはそのことになかなか気がつきにくいです。 予め環境をつくっておく かといって、スマホを見てはいけない、とか、SNSに気をつけよう、…
こころが安らぐ環境を作っておく ①
電車の中や、ちょっとした待ち時間、スマートフォンを触らずに過ごした時間は一体どのくらいあるでしょうか。 ニュースやSNS上で起こっていることが気になって、特に「みたい」と思うことなく、ついついスマートフォンを開いてしまう行動は、もはや「現象…
発達障害の原因について ②
前回の記事「発達障害の原因について ①」では、何らかの影響で脳が微細な損傷を受けることが、神経回路の正常なはたらきを妨げ、発達障害の様々な症状を引き起こす、ということをいいました。 では、何が脳にダメージを与えてしまうのでしょうか。現在可能…
発達障害の原因について ①
発達障害の原因は、脳が微細な損傷を受けることだと現在考えられています。 脳の神経回路 わたしたちの脳には、およそ1000億個の神経細胞があり、互いに情報を伝達しあっています。この膨大な数の神経細胞同士のつながりは、網のように、脳全体に細かく…
早起きの効果
みなさんは、朝早く起きるのは得意でしょうか。それとも、遅くに寝て朝はゆったり目覚めるタイプですか。身についている習慣や生活スタイルもありますが、やはり、「早起き」には人を元気にする力があるといえます。 ヒトは早起き向き? 朝早く起きて、日を…
パニック障害 ②
前回の記事「パニック障害①」では、パニック障害が起こるしくみについてお話ししました。本来、攻撃性を発揮するときに活発になる交感神経が、なんでもないような時に、急にはたらき過ぎてしまうことで、あらゆる辛い症状が引き起こされます。 予防と治療 …
パニック障害 ①
人間の神経系には、二種類あります。交感神経と、副交感神経です。 交感神経のはたらきは、心身を「攻撃モード」にすることです。筋肉を緊張させたり、心臓をドキドキさせたりして、身体を動きやすくさせます。より多くの活動をしているときや、何かに挑戦し…
気象病 ②
前回の記事「気象病①」では、天気の変化のスピードが速いと、脳や身体がそれに対応しきれず、あらゆる不調が引き起こされることをお話ししました。 気象病は、それぞれの症状ごとに対処することはできますが、気象病そのもののメカニズムはまだよく分かって…
気象病 ①
晴れ晴れとした日は気分も開放的になり、どんよりとした日は、なるべく家の中にいたくなるなど、気によってこころの状態も変わることは、みなさんも実感されることと思います。 もう少し深くみてみると、自然界と、人間の身体の調子は密接に関係していること…
秋に感じる物悲しさ
夏のあの暑さが落ち着いたと思えば、日に日に涼しさが増してきましたね。 夕方になるともうすっかり暗くなり、季節が変わっていることを感じさせます。 「奥山に 紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき」 という歌が、百人一首にあります。(猿丸…
「具体的に」パワハラに対処しましょう
「パワハラ」という言葉が世の中に浸透し、職場環境への意識が高まっています。 しかしその反面、「パワハラ」が曖昧な言葉として使われつつあります。 まず、厚労省によるパワハラの定義を振り返ってみましょう。 <職場におけるパワーハラスメント> 次…
職場が辛いとき
パワハラを訴えて受診される方が、今もなお増えています。 パワハラを受けた時の対応について、具体的にみていきましょう。 会社での流れ 通常の会社では、社員からパワハラが報告されると、人事部が関係者へヒアリングを行います。実際はどうであったのか…
「ほどほど」よりも「ほどよく」
「ほどほどに〜しなさいね」と言われるときに使われる「ほどほど」という言葉がありますね。皆さんも、ほどほどにしようと心がけていることがあるのではないでしょうか。 「ほどほど」にしているものについて、これを是非「ほどよく」にしてみるのはどうでし…
「痩せなければ」から自由に ②
前回の記事「痩せなければ」から自由に ①」では、摂食障害は、「認知の誤り」が根本にある病だというお話をしました。これを改善する方法はまだ確立されていませんが、可能性は確かにあります。 脳はもっと良くできる 偶然にも、認知症の薬で、摂食障害の…
「痩せなければ」から自由に ①
摂食障害は、「痩せたい」気持ちから、極端に食事を控えたり、反対に多くの量を食べてその後吐き出してしまったりする病気です。生きていくのにギリギリの体重にまで痩せてしまうケースも少なくなく、命に関わる病といえます。しかし、治療法は確立していない…
日記の効用 ②
前回の記事「日記の効用 ①」では、毎日をよりポジティブな気持ちで過ごす方法の一つとして、「良いこと日記」をご紹介しました。その日に起こった良い事だけを書いていく、というものでした。 では、ネガティブな出来事やその時抱いた嫌な感情については、…
日記の効用 ①
自分の気持ちや考えに向き合う方法のひとつとして、日記をつけてみようと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。気持ちの赴くままに書いていくのも日記の持ち味ではありますが、毎日をより楽しく過ごしていけるような日記の付け方もあるのです。 悪いこ…
まず笑ってみましょう
忙しい毎日に、誰でも簡単に前向きな気持ちになれる方法があります。あまりにもシンプルだと思われるかもしれませんが、それは、笑うことです。 笑顔をつくってみる 笑っている時は、楽しくて面白おかしい気持ちになっていますよね。楽しい・嬉しいから笑い…










