20Aug
悩みがあると、一日中そのことが頭から離れなかったり、楽しいはずの瞬間も十分に味わうことができなかったりするかもしれません。
また、夜電気を消してこれから眠ろうというときや、朝目覚めたなんとなくの時間、ふと一人になったときなどに、これから起こることについての不安、あるいは言葉にはできないような漠然とした不安感が訪れることはないでしょうか。
このようなことは、みんななかなか口には出さずとも、経験したことがあるのではないかと思います。
「離れる」技術
心がある問題に占められて悶々とした状態や、あることが気になって居ても立っても居られないときは、「視野が狭くなっている」状態だとよく言われます。
例えば、家族や友達が自分のように悩んでいるのをみたら、きっと「そんなことないよ、気にすることないよ」と声をかけるのではないでしょうか。
悩んでいるときは、「頭の中がそのことでいっぱい」という言葉があるように、「悩み事」と「自分」との距離がとても近い状態にあります。
後になって時間が経つと、「そもそもあの時はどうしてあんなことで悩んでいたんだろう」ということがあるでしょう。
何かに悩んでいる時は、自分が思っているところと違うところに、前向きな解決手段があるものです。
「困っている」は、問題点をはっきりと捉えられていて、これから解決するぞ、という意味合いがありますが、「悩んでいる」は、未来に対する前向きな要素がないもので、非常に辛いことです。
悩みや不安から離れる一つの方法として、「今、自分は悩んでいる」と認識する、ということがあります。悩んでいる自分を、俯瞰して上から見下ろしているような感覚ですね。こうすると、それまで自分を圧倒してきた問題が、急に小さな存在へと変わるのが分かると思います。
言葉
自分を俯瞰してみる、というのは最初のうちはなかなか慣れないかもしれません。
もっと簡単な方法として、「私は日に日にすべての面でよくなってゆく」という言葉を唱えるというものあります。
この言葉は、1920年代にフランスのクイエによって考案されたものです。
前向きな言葉を暗示のように自分に言い聞かせるという方法は、皆さんもよくご存知かもしれません。
ここでのポイントは、この前向きな言葉はできるだけ抽象的であるほど良い、ということです。
例えば、「私は〇〇までに〇〇を達成する」という具体的な言葉だと、そうでなければならない、という限定的なニュアンスが含まれ、未来が狭まる方へ向いてしまいます。
「私は日に日にすべての面でよくなっていく」というのは、あらゆる瞬間に・広大な可能性をもつ未来へ・「よい」方向へ向かって・歩んでいる、ということを反映しています。
不安感がやってきたときや、あるいは日常の何気ない瞬間にも、ぜひこの言葉を唱えてみてください。
生活のあらゆる局面で役に立つと思います。