東京都、JR有楽町駅徒歩3分/東京メトロ日比谷駅徒歩1分、千代田区日比谷のクリニックです。うつ病、発達障害、職場でのストレス、不眠症、依存症、摂食障害、統合失調症等の治療を行っています。

ストレスケア日比谷クリニック

やめられないとき④

前回のコラムでは、依存症のお薬についてお話ししました。
今回は、日本で使われている、アルコール依存症の薬について触れていきます。

全く飲む気が起きなくなる

 日本では現在、アルコール依存症の薬が2種類あります。その作用は、アルコールを全く飲みたくなくさせる、というものです。
 処方を行なっていてはっきり感じるのが、みなさん、アルコールを飲みたい、という気持ちが全く湧かなくなった、ということです。この効果にはとても驚かされます。

 では、これでアルコール依存症の治療は良いのか、といえば、実は全くそうはいえない現状があります。アルコールを飲みたいために、この薬を飲むのを止めてしまうという例がいくつかあるのです。

“飲酒の意味”という面

 依存の構造が、単に、依存の対象だけが原因となっているのであれば、依存の対象となっている物質、たとえばアルコールや砂糖、ゲームやギャンブルできる環境を強制的に取り上げてしまえば良いはずです。
 しかし、それでは治療がうまくいきません。あるタイミングで、またそれが出来る環境になったとき、始めることになるからです。

 これは、依存の対象物が抜けたとしても、依存の回路は残り続けていることを意味します。
 飲酒という行動に、「ストレスを和らげるもの」という付箋が貼られているようなイメージで、飲酒=ストレスからの脱出、という意味が、頭の中に強くある状態が、依存の一つの面だといえます。
 「とにかくアルコールそのものを摂取したい」という気持ちだけでなく、「不快な気持ちをなんとかしたい、そのために飲酒が必要だ」という気持ちもあるのです。

 依存の治療では、薬を使ったり、環境を変えたりするなど、対象物を遮断しつつ、
例えば、ストレスを感じたときに、「今、自分は何をどのように感じているか」と、
自分が今この瞬間に受けている感覚や感情がどんなものなのか、ということに気を向けるのも重要になってきます。

 依存についてお困りの方や、ご家族についてなど、
お一人で抱え込まずぜひご相談ください。

院長コラム一覧

治験のご案内

当院では、うつ病の患者さまを対象とした治験をおこなっています。
詳しくはこちらをご覧ください。
ページ上部へ戻る