26Mar
甘いものやお酒、スマートフォンやゲームなど、
ついやめられなくなった、という経験は、皆さんあるのではないでしょうか。
「やめられない」のは、自分の意志が弱いから、と思いがちですが、
実はそれは脳の強力なシステムがはたらいている証拠なのです。
「やめられない」時の脳
わたしたちの脳には、「報酬系」という回路があります。脳のいろいろな場所に分布しているといわれています。
脳がある刺激を受けると、β-エンドルフィンという神経伝達物質が、報酬系で放出されます。
β-エンドルフィンの受容体がそれをキャッチした時、幸福感や穏やかさ、高揚感といった感覚が生まれます。
例えば、ランナーズハイといわれる現象もβ-エンドルフィンの作用を感じられる一つです。マラソンのような長時間の運動で、瞬間を超えると途端に、それまでの苦しさや辛さが消え、痛みも感じづらく、幸福な気持ちに包まれる、というような経験をしたことはないでしょうか。
β-エンドルフィンには、苦痛を和らげる作用もあります。ドーパミンという神経伝達物質も、報酬系のプロセスに関わっています。
ドーパミンは、「これから何か良いことがありそうだ」という時に放出される物質です。これから美味しいものを食べに行くという時、明日から旅行に出かけるという時、そのワクワク感は、ドーパミンがもたらすものだといわれています。
依存のプロセスでは、ゴールとなる快感を受けている瞬間、それはβ-エンドルフィンの働きによるもので、そして「またやりたい、これからやりたい」と依存の対象を求めている状態が、ドーパミンの働きによるものだといえるでしょう。