22Jun
朝、電⾞に乗っていて急にお腹が痛くなる、⼤事な予定の前なのにトイレから出られなくなってしまう、など、予測できない腹痛にお困りの⽅は多いのではないでしょうか。
「またお腹が痛くなったらどうしよう」と不安になる⽅もいらっしゃると思います。
今回は、そのような⽅に役に⽴ちそうな⽅法をお話ししていきます。
「緊張と弛緩」のリズム
⼈は⽇々、「緊張と弛緩」を⾃然なリズムで無意識的に繰り返しています。緊張状態にある時は、⼼臓がドキドキし筋⾁がこわばります。リラックス状態にある時は、⼒が緩み、呼吸もゆったりになります。
腸の運動もこれに関連していて、⼼⾝が緊張状態にある時は、腸の活動は低下します。消化に充てるエネルギーを、何か他の、たとえば、脳をはたらかせたり⾝体を動かしたりするために使おうとするのです。
反対に、リラックス状態にある時は、腸の運動は活発になります。私たちがまったりしているとき、胃腸はよく働いて、消化をしてくれているのです。
「突然お腹が痛くなる」現象は、それまで不⾃然に続いていた緊張状態が、フッと途切れ、⾝体が弛緩状態になった時に訪れます。
普段は意識せずとも⾃然なリズムで繰り返されていた「緊張と弛緩」のバランスが、ストレスなどが原因で、ある時緊張状態だけがずっと続くことがあります。これには本⼈はなかなか気がつきにくいです。
⼈は、緊張状態だけでは⽣命を維持できませんから、この緊張状態は、いつかは途切れます。その瞬間、それまで休⽌していた腸の運動が、突然活発になり始めるのです。これが、突然訪れる腹痛となって現れます。
⿐で吸って⼝で吐く
この突然の腹痛には、「緊張と弛緩」のリズムを整えることが有効だと考えています。
具体的には、「⿐で吸って⼝で吐く」呼吸法です。⼝で「はあ」と吐くとき、筋⾁が緩んでリラックスした感じになるのに気がつくでしょうか。
この呼吸法では、⼝で吐く度に、⼼⾝をリラックス状態にすることができます。ですから、不⾃然な緊張状態が続くのを防ぐことにつながります。
呼吸とは不思議な現象で、私たちが意識しなくても呼吸が⽌まることはありませんが、意識して呼吸をすることもできます。
呼吸は、私たちの意識的な⾏為と無意識の⼼⾝の動きを結びつけている窓のようなものともいえるでしょう。ヨガや禅の世界では、「呼吸」がひとつのキーワードになっていますね。
ふとした瞬間に、「⿐で吸って⼝で吐く」をぜひやってみてください。
ひょっとしたら、いつも緊張していた、ということに気がつくかもしれません。
次回の記事「お腹の調⼦が気になる②」では、⼼と腸に良い⾃然物についてご紹介します。