5Feb
特に小学生くらいのお子さんに対して、発達障害(ADHD)のお薬を飲ませるということに、
抵抗を感じる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、その辺りについてお話しさせてただければと思います。
単に症状を抑えるだけではない
ADHDのお薬は、集中力を高めたり、落ち着かせたりする効果があります。ただ、その他にも良い面があります。
それは、こころが成長するということです。
薬がその子にマッチしてうまくはたらいた場合、脳の神経回路の発達も良くなります。
発達障害は、脳の微細な損傷によって、神経回路がうまくはたらかないことで引き起こされると考えられています。
ADHDの治療薬は、対症療法的な面だけを持つのではなく、飲み続けることで、脳の発達を改善するということも期待できます。
本人らしさ
薬を飲むことで、本人らしさが打ち消されてしまうのではないかと不安、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これについては、むしろ薬を使うことで、本人らしさを表出させていけるのではないかという風に考えています。
集中力や注意力、処理速度など、本人が不得意な分野について、薬で大幅に改善することが可能です。
今まで本人も困っていたことが解決されるので、のびのびと得意分野に取り組むことができるようになります。
また、ADHDの薬は、脳の機能について改善させるように作用します。その結果、ADHDの諸症状が良くなるわけですが、重要なのは、本人の性格的な部分は変わらないということです。
薬はずっと飲み続けないといけない、ということはなく、主治医の先生と相談し、量などについて柔軟に調整をしながら、お子さんの成長を見守っていくことができます。